不登校からの回復の段階って?「エネルギー」の目安と行きつ戻りつ

CoCon編集部

THE INSIGHT / 最初の対応・心のケア

「いつになったら、また動き出せるんだろう」——先が見えないと、焦りや不安が募りますよね。不登校の経過を説明するとき、「回復には段階がある」という考え方がよく語られます。見通しの目安として役立つ一方で、実際の回復は個人差がとても大きく、行きつ戻りつしながら進むのが自然です。この記事では、一般的に語られる段階の整理と、時期や順番を保証しないという大切な前提、そして段階ごとに親ができることを、CoConが一緒に考えます。

「回復の段階」は、あくまで目安です

最初に、いちばん大切なことをお伝えします。ここで紹介する段階は、支援の現場などで経験的によく語られる一般的な整理であり、公的に定められた基準ではありません。「必ずこの順に進む」「この時期には次の段階に入る」といったものではなく、子どもによって現れ方も、かかる時間もさまざまです。

段階を知る目的は、進み具合を採点することではありません。「今は力をためている時期かもしれない」と受けとめ、焦りを少し手放すための地図として使ってください。目安に子どもを当てはめて一喜一憂すると、かえって親も本人も苦しくなってしまいます。

よく語られる4つの段階(一般的な整理として)

ここでは、よく紹介される経過をおおまかに4つに分けて説明します。名前や区切り方は資料によって異なり、あくまで一つの見方です。

初期(不安定な時期)

行き渋りが始まり、頭痛や腹痛などの体調不良を訴えたり、登校をめぐって気持ちが揺れたりしやすい時期とされます。本人も「行かなきゃ」と「行けない」の間で苦しんでいることが多いといわれます。

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混乱期(エネルギーが大きく下がる時期)

休むことが増え、無気力に見えたり、昼夜逆転やゲームへの没頭が目立ったりすることがある時期として語られます。周囲から見ると心配が募りますが、心と体を休ませ、消耗したエネルギーを回復させている過程と捉える見方もあります。

回復準備期(少しずつ力がたまる時期)

家の中で落ち着いて過ごせる時間が増え、好きなことや家族との会話に関心が戻ってくることがある時期とされます。まだ外に向かう力は十分でなくても、内側でエネルギーがたまり始めている段階と説明されることが多いです。

回復期(動き出す時期)

外出や習い事、フリースクール、別室登校など、何らかの形で動き出そうとする様子が見られることがある時期とされます。ただし「学校に戻る」だけがゴールではありません。本人に合った居場所や学び方を見つけていく過程も、大切な回復のかたちです。

ワンポイント:エネルギーの「器」で考える

回復を、心のエネルギーがたまる「器」にたとえる見方があります。空になった器は、休むことで少しずつ満ちていきます。器が満ちるまでの時間は人それぞれで、注ぐそばからこぼれる日もあります。焦って器を揺らすより、静かに満ちるのを待つほうが、結果的に早く動き出せることが多いといわれます。

「行きつ戻りつ」は、失敗ではありません

動き出せそうだった子が、また休みたがる。少し通えた翌週に、まったく起きられなくなる——。こうした「逆戻り」に見える波は、回復の過程でよくあることであり、後退や失敗ではありません。一直線に進むほうがむしろ珍しく、進んでは戻り、戻ってはまた進む、というくり返しの中で、少しずつ全体として前に向かっていくものだと考えられています。

波が来たときに「せっかく良くなってきたのに」と落胆すると、その気持ちは子どもにも伝わります。「そういう日もあるよね」と受けとめる余裕が、次の一歩を支えます。

段階を、次のように活かす

段階の知識は、子どもを急かすためではなく、親の関わり方を落ち着かせるために使うと役立ちます。

・休んでいる時期を「サボり」と決めつけず、エネルギーの回復期間と捉える
・「早く次へ」と段階を先取りして急かさない
・小さな変化(会話が増えた・関心が戻った)に気づき、喜ぶ
・逆戻りの波を、失敗ではなく自然なものとして受けとめる
・親自身も休み、支える側のエネルギーを保つ

今の段階が分からなくても大丈夫です。大切なのは、「今、この子は何を必要としているか」を、その時々で見ていくことです。

気になるときは、抱え込まず相談を

強い落ち込みが続く、食事や睡眠に支障がある、体調不良が長引く、消えてしまいたいといった言葉が出る——。こうしたときは「段階だから待つ」ではなく、早めにスクールカウンセラーやかかりつけ医、相談窓口に相談してください。専門家と一緒に見ていくことが、本人にとっても家族にとっても安心につながります。

今日からできる3つのステップ

1

段階を「採点」ではなく「地図」として使う

今どこにいるかを厳密に当てはめるより、「今は休む時期かも」と焦りを手放すために使いましょう。

2

逆戻りの波を「自然なこと」として受けとめる

進んでは戻るくり返しは、回復の過程そのものです。落胆せず「そういう日もある」と構えましょう。

3

つらさが続くときは、専門家と一緒に見ていく

強い落ち込みや体調不良が続くなら、待つより相談を。スクールカウンセラーやかかりつけ医が力になります。

よくある質問(FAQ)

Q.不登校は、必ずこの段階の順で回復していくのですか?
A.いいえ。ここで紹介した段階は、現場でよく語られる一般的な整理であって、公的に定められた基準ではありません。必ずこの順に進むわけではなく、現れ方もかかる時間も子どもによって大きく異なります。段階は見通しの目安として使い、当てはめて一喜一憂しないことが大切です。
Q.回復には、だいたいどれくらいの期間がかかりますか?
A.期間は一人ひとり大きく異なり、「何か月」「何年」と一律にお伝えできるものではありません。心のエネルギーがたまる速さは人それぞれで、環境や体調によっても変わります。期間の見通しよりも、その時々で本人が何を必要としているかを見ていくことが助けになります。
Q.良くなってきたのに、また休むようになりました。後退でしょうか?
A.後退や失敗ではありません。進んでは戻る「行きつ戻りつ」は、回復の過程でよくある自然な波です。一直線に進むほうが珍しく、くり返しの中で少しずつ前に向かっていくと考えられています。「そういう日もある」と受けとめる余裕が、次の一歩を支えます。
Q.「休ませる」だけでいいのか、待っていて不安になります。
A.「ただ待つ」と「様子を見ながら支える」は違います。会話や食事を大切にし、小さな変化に気づき、必要なときに相談先につながっておくことが支えになります。強い落ち込みや体調不良が続く、消えたいという言葉が出るといったときは、段階だからと待たず、早めに専門家に相談してください。

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※本記事で紹介した段階は、支援の現場で経験的に語られる一般的な整理であり、公的に定められた基準ではありません。実際の経過には大きな個人差があります。

監修:株式会社CoCon 代表 洲﨑祐貴

本記事は一般的な情報提供であり、診断や治療、回復の時期を保証するものではありません。強い落ち込みや体調不良が続くときは、スクールカウンセラーやかかりつけ医など専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

CoCon編集部

不登校支援ポータルCoCon編集部。当事者家庭への取材と一次情報をもとに記事を作成しています。

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