【開催報告】過去最多35万人の不登校、背景にある「発達特性」と支援の空白、AI・オンラインで「困り始めた段階から届く発達支援」を議論

CoCon編集部

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「不登校」という言葉は、私たち保護者にとって、時に胸を締め付ける響きを持つかもしれません。最新の文部科学省の調査では、小・中学校の不登校児童生徒数が過去最多の35.4万人となり、その背景には「発達特性」との関連が強く指摘されています。このような状況を受け、先日、衆議院議員会館で「不登校から考える次世代AIと共創する人間・社会のあり方」をテーマとした重要なイベントが開催されました。このイベントでは、国会議員や自治体の首長、教育関係者、そして発達支援の専門家が一堂に会し、不登校の子どもたちをどう支えていくか、その最前線が議論されました。特に注目されたのは、AIやオンラインを活用した「困り始めた段階からの早期支援」の可能性です。このニュースが、今まさに不安を抱えている保護者の皆さんの心に、少しでも光を灯すきっかけとなれば幸いです。

不登校が過去最多の35.4万人。その背景にある「発達特性」の課題

文部科学省の調査によると、2024年度の小・中学校における不登校児童生徒数は、なんと35.4万人に上り、12年連続で増加し過去最多を記録しました。この数字は、いま多くの子どもたちが学校生活に困難を感じている現状を如実に示しています。

さらに注目すべきは、不登校の背景要因の第2位(約31%)として「発達障がいの診断・疑い」が挙げられていることです。PAPAMO株式会社が実施した調査でも、発達特性のある小中学生の61.5%が学校への行き渋りや欠席を経験しており、不登校の経験割合は全体平均の9.5倍にも及ぶという、衝撃的なデータが明らかになっています。特に夏休み明けの9月は、環境変化のストレスから行き渋りや欠席が増加する傾向にあると指摘されています。

💡 ワンポイント

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不登校は、決して子どもや保護者の頑張り不足ではありません。社会全体の構造的な課題であり、その背景には発達特性など、子どもたちの個性と学校環境のミスマッチがあることが多くあります。あなたが悪いわけではありません。

国も動き出す不登校対策:予算100億円と多様な学びの場

このような深刻な状況に対し、国政の場でも具体的な対策が議論され始めています。衆議院議員の鈴木英敬氏は、政府・与党が進める不登校対策について説明しました。

  • 1

    令和7年に設立された不登校対策プロジェクトチームでは、いじめ・不登校対策に100億円の予算を計上。

  • 2

    地域による選択肢の差をなくすため、国の責任の下でベースとなる支援を行う方針を明言。

  • 3

    GIGAスクール構想の1人1台端末を活用し、子どもの心の状態を早期に把握する取り組みを推進。

  • 4

    「校内教育支援センター」の支援員配置を最重要視し、令和8年度には対象校を現状の2,000校から4,000校へ、さらに将来的には7,000校まで増やす概算要求が出されています。

  • 5

    「学びの多様化学校」(いわゆるフリースクールなど)の未配置都道府県への設置働きかけなど、多様な学びの場を確保する方針も示されました。

これらの取り組みは、不登校の子どもたちが地域や経済状況に関わらず、適切な支援を受けられる環境を整備しようとする国の強い意思を示しています。

オンライン療育が不登校改善の鍵に?つくば市の具体的な成果

今回のイベントで特に注目を集めたのが、つくば市とPAPAMO株式会社が共同で実施した「オンライン発達支援サービス」の実証実験の成果です。この実証実験では、小学1〜3年生100人を対象に、理学療法士・作業療法士の専門職による月2回のオンライン個別療育が行われました。

参加者の35%が不登校や行き渋りの状態であったにもかかわらず、国際的な作業療法指標「COPM」において、標準の「1年で+2」を大きく上回る「半年で+4」という改善が実現しました。さらに、「文字が書けなかったお子さんが書けるようになる」といった具体的な変化や、「1年間不登校だった児童が3ヶ月で前向きに登校し始める」といった感動的な事例も共有されました。

つくば市長の五十嵐立青氏は、「不登校と発達障害は関連性が強い」と指摘し、このオンライン療育が対面支援の届かない「支援の空白期間」を埋める有効な手立てであることを強調。「自治体の財政状況にかかわらず、オンライン療育を公的支援制度の対象にしてほしい」と国へ強く要望しました。

オンラインで専門家による個別支援を受けられることは、住んでいる地域や家庭の状況に左右されずに、質の高い療育を受けられる可能性を広げます。これは、私たち保護者にとって大きな希望となるでしょう。

AI時代の子育て:社会全体で子どもを育む視点

東京大学先端科学技術研究センター教授の為末大氏は、教育の意義を「①食べていける大人になること」「②仲間と仲良くやっていけること」「③その子らしく生きられること」の3点に整理し、AIやデジタル技術をうまく活用することの重要性を指摘しました。例えば、紙の教材が読みづらい子どもには音声で支援するなど、テクノロジーを子どもの特性に合わせて活用する視点です。

一方で、為末氏はAIが台頭する時代だからこそ、直観や身体からくる情報を察知する「身体性」の重要性も強調しました。子どもの問題を学校だけに背負わせるのではなく、社会全体で子どもを育む仕組みが必要であるという提言は、CoConが掲げる「不登校の家庭をひとりにしない」という姿勢とも強く共鳴します。

「困り始めた段階」での早期支援が未来を変える

発達支援の現場からは、深刻な実態が共有されました。全国で約150万人が療育施設の潜在的な待機状態にあり、「数年待ち・数百人待ち」という保護者の悲鳴のような声が多い現状が報告されています。

リハビリ・フューチャーズ代表の里宇文生氏は、通常学級にも「ことば・コミュニケーション」「読み書き・学習」「運動・協調」といった困難を抱える児童が一定数おり、これらが重複していることが多いと指摘。これらの困難による失敗経験の積み重ねが、不登校などの二次的な心理・社会的困難につながるため、「困り始めた早期段階からのオンライン介入が重要である」と強調しました。

⚠️ 注意

子どもの困りごとは、時間が経つほど複雑になり、解決が難しくなる傾向があります。早期に専門家とつながり、適切な支援を開始することが、子どもの心の健康と成長にとって非常に大切です。

保護者が今日からできる3つのアクション

このニュースから、私たち保護者が「今日からできること」を考えてみましょう。

  • 1

    不登校や発達特性に関する情報を収集する: 文部科学省やこども家庭庁の公式サイト、専門機関のウェブサイトなどで、公的な情報や支援制度について調べてみましょう。オンラインでの発達支援サービスやフリースクールの選択肢も増えています。

  • 2

    専門家や支援機関に相談する: 学校のスクールカウンセラー、教育支援センター、児童相談所、発達支援センターなど、相談できる窓口はたくさんあります。オンライン療育を提供している民間サービスも検討してみましょう。客観的な視点から、お子さんに合ったアドバイスや支援計画を立ててもらうことが大切です。

  • 3

    お子さんの「好き」や「得意」を見つける場を探す: 学校以外の居場所や学びの場は、お子さんの自己肯定感を育む上で非常に重要です。地域のフリースクールや習い事、オンライン学習サービスなど、お子さんが興味を持てる場所を探して、体験させてあげることも一歩です。

CoConから、不安を抱える保護者の皆様へ

不登校は、子どもたちの心と体が発する大切なサインです。その背景には、発達特性や環境とのミスマッチなど、様々な要因が複雑に絡み合っていることが多く、決して「怠けている」わけではありません。

今回のニュースは、国や自治体、そして民間の専門家たちが、不登校の子どもたちと、その保護者の皆さんのために、真剣に対策を考え、行動し始めていることを示しています。特に、テクノロジーを活用した早期からのオンライン支援の可能性は、これまで支援が届きにくかったご家庭にとって、大きな希望となるでしょう。

CoConは「不登校の家庭をひとりにしない。CoConが、隣で考えます。」という姿勢を大切にしています。どうぞ、ひとりで抱え込まずに、周りの人や専門機関を頼ってください。そして、お子さんのペースを尊重しながら、多様な選択肢の中から、その子に合った「居場所」や「学びの形」を一緒に見つけていきましょう。

もし、今、どこに相談すれば良いか迷われている場合は、以下の窓口もご活用ください。

よりそいホットライン:0120-279-338
こども家庭庁 相談窓口一覧:https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/kodomohitori_kentokai/shiryo/20230628-shiryo02-1/

よくある質問(FAQ)

Q.不登校と発達特性にはどのような関連があるのですか?
A.文部科学省の調査では、不登校の背景要因の約31%が「発達障がいの診断・疑い」とされています。発達特性を持つお子さんは、学校環境とのミスマッチからストレスを感じやすく、不登校につながるケースが少なくないと考えられています。
Q.オンライン療育とは具体的にどのような支援ですか?
A.オンライン療育は、理学療法士や作業療法士などの専門家が、オンラインを通じてお子さんに合わせた個別の支援を行うサービスです。今回の事例では、不登校や行き渋りのお子さんがオンライン療育を通じて前向きに登校を始めるなどの改善が見られました。
Q.国は不登校に対してどのような対策を進めているのですか?
A.国は不登校対策プロジェクトチームを立ち上げ、いじめ・不登校対策に100億円の予算を計上しています。また、校内教育支援センターの拡充や、学びの多様化学校(フリースクール等)の設置促進、GIGAスクール端末を活用した心の状態の早期把握など、多角的な支援体制の強化を進めています。
Q.「困り始めた段階からの早期支援」がなぜ重要なのでしょうか?
A.子どもの困りごとは、時間が経つほど複雑化し、不登校などの二次的な心理・社会的困難につながるリスクが高まります。早期に専門家とつながり、適切な介入を行うことで、問題が深刻化するのを防ぎ、お子さんの成長をサポートできる可能性が高まります。
Q.フリースクールなどの「学びの多様化学校」は増えるのでしょうか?
A.政府は「学びの多様化学校」の設置促進を方針として掲げており、未配置の都道府県への働きかけを強化しています。これにより、学校以外の選択肢としてのフリースクールなどが、より利用しやすくなることが期待されます。

参考・出典元

本記事は以下の公的機関等の情報を参考に作成しています。制度の詳細・最新情報は必ず一次ソースでご確認ください。

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この記事を書いた人

CoCon編集部

不登校支援ポータルCoCon編集部。当事者家庭への取材と一次情報をもとに記事を作成しています。

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