中学生はなぜ不登校に?原因と7つの支援の方法

CoCon編集部

THE INSIGHT / 不登校の原因と支援

「うちの子は、どうして学校に行けなくなったんだろう」——。中学生の不登校は、本人の努力不足でも、家庭のしつけのせいでもありません。環境の変化・学業・人間関係・心身の不調など、いくつもの要因が重なって起こる、誰にでも起こりうることです。この記事では、中学生が不登校になりやすい原因を整理したうえで、家庭・学校・専門機関でできる7つの支援を具体的にご紹介します。今できる一歩を、CoConが隣で一緒に考えます。

データで見る、中学生の不登校のいま

不登校は、決して珍しいことではありません。文部科学省の令和6年度(2024年度)調査によると、不登校の小・中学生は35万3970人にのぼり、12年連続で過去最多を更新しています。特に、小学校から中学校に上がるタイミングで不登校は大きく増える傾向があります。

中学生の不登校は21万6266人で、在籍する生徒のおよそ6.79%(文部科学省の調査をもとに算出すると、約15人に1人)にあたります。1000人あたりの人数で見ると、小学校(23.0人)に対して中学校は67.9人とおよそ3倍。小学6年生から中学1年生にかけて約1.5倍に増える点も、「中1ギャップ」を裏づけています。

出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(2025年10月29日公表)。調査結果ページ

数字が示すのは、「学校に行きづらさを感じている子どもは、あなたのお子さんだけではない」ということです。まわりと比べて焦る必要はありません。まずは、なぜ中学生の時期に不登校が増えるのか、その背景を一緒に見ていきましょう。

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中学生が不登校になりやすい主な原因

不登校のきっかけは一人ひとり異なり、多くの場合はひとつの原因ではなく、複数の要因が重なっています。ここでは、中学生に多く見られる背景を5つに整理しました。「これが原因だ」と決めつけるためではなく、お子さんの状況を理解するヒントとしてご覧ください。

1. 小学校から中学校への環境の変化(中1ギャップ)

中学校では、教科担任制への切り替え、定期テストや部活動の開始、先輩後輩の関係など、生活が大きく変わります。この急な環境の変化になじめず、不安やストレスを抱える子どもは少なくありません。いわゆる「中1ギャップ」と呼ばれる状態です。

2. 学業のつまずきと成績への不安

中学校では学習内容が一段と難しくなり、進度も速まります。授業が分からない状態が続くと、「自分だけができない」という気持ちや、成績・高校受験へのプレッシャーが重なり、学校そのものがつらい場所になってしまうことがあります。

3. 友人関係・部活動での人間関係

思春期の中学生は、周囲の目や友人との関係にとても敏感です。友だちとのすれ違い、グループ内の立ち位置、部活動での上下関係、そしていじめなど、人間関係の悩みが登校のハードルになることがあります。いじめが背景にある場合は、後述の相談窓口や学校への働きかけが大切です。

4. 心身の不調・発達特性

「朝起きられない」「頭痛や腹痛が続く」といった不調の背景に、起立性調節障害などの体の状態が隠れていることもあります。また、発達特性による学校生活のしづらさが影響している場合もあります。これらは「怠け」ではなく、体や特性による困りごとです。気になる症状が続くときは、自己判断せず、医療機関や専門家に相談しましょう。

5. 家庭環境の変化や生活リズムの乱れ

引っ越しや家族の状況の変化、生活リズムの乱れなどが、心の余裕を奪ってしまうこともあります。ただし、これは「家庭が悪い」という意味ではありません。子どもが安心して過ごせる環境をどう整えるか、という視点で考えることが大切です。

中学生の不登校を支える7つの方法

ここからは、家庭・学校・専門機関という3つの場面でできる支援を、7つの方法に整理してご紹介します。すべてを一度に行う必要はありません。お子さんの状態に合わせて、できそうなものから一つずつ試してみてください。

支援1. 安心できる関係と対話をつくる(家庭)

まず大切なのは、家庭が「安心できる場所」であることです。無理に理由を問いただすのではなく、「話したくなったら聞かせてね」という姿勢で待ちましょう。「そうだったんだね」「つらかったね」と気持ちに寄り添う言葉が、子どもの安心につながります。

支援2. 生活リズムと心身の回復を支える

エネルギーが低下しているときは、まず休むことが回復の土台になります。いきなり「早寝早起き」を求めるのではなく、朝はカーテンを開けて光を入れる、決まった時間に食事をとるなど、できる範囲でゆるやかに整えていきましょう。体調不良が続く場合は、医療機関の受診も検討してください。

支援3. 学校と連携する(担任・スクールカウンセラー)

担任の先生やスクールカウンセラーと、こまめに情報を共有しましょう。教室に入りづらい場合は、保健室登校や別室登校という選択肢もあります。「今どこまでならできそうか」を学校と一緒にすり合わせ、無理のない関わり方を探ることが大切です。

支援4. 学びを止めない学習支援

学校に行けない間も、家庭学習・オンライン教材・ICTを使った学習など、その子のペースで学ぶ方法はたくさんあります。一定の要件を満たせば、自宅でのICT等を活用した学習が、校長の判断で出席扱いになる場合もあります。詳しくは学校や教育委員会に確認してみましょう。

支援5. 学校以外の居場所をつくる(教育支援センター・フリースクール)

学校だけが子どもの居場所ではありません。自治体が運営する教育支援センター(適応指導教室)や、民間のフリースクールなど、子どもが自分らしくいられる場所を一緒に探してみましょう。同じ経験をした仲間とのつながりが、回復の支えになることもあります。

支援6. 専門機関・医療につなぐ

心身の不調や発達特性が気になるときは、家庭だけで抱え込まず、専門機関につなぎましょう。相談先には、スクールカウンセラー、教育相談センター、児童精神科・小児科、児童相談所などがあります。診断や治療の判断は必ず専門家にゆだね、家庭は「安心して相談できる橋渡し役」を担うイメージです。

支援7. 保護者自身の心も支える

子どもを支えるためには、保護者自身が孤立しないことが欠かせません。自分を責めすぎず、同じ悩みを持つ保護者の会やピアサポート、相談窓口を頼ってください。保護者の心に余白が生まれることが、子どもの安心にもつながります。

家庭で今日から始められる3つのステップ

「何から始めればいいか分からない」というときは、次の3つから試してみてください。どれも、特別な準備がなくても今日から始められます。

1

まず「休んでいい」と安心を伝える

「学校に行けなくても大丈夫」「あなたのことが大切」というメッセージを、言葉と態度で伝えましょう。安心感は、回復のいちばんの土台になります。

2

子どもの気持ちと体調を観察し、記録する

どんなときに元気で、どんなときにつらそうか。睡眠・食事・表情の変化などをメモしておくと、学校や医療機関に相談する際にも役立ちます。

3

相談先を1つ確保する

担任、スクールカウンセラー、教育支援センター、相談窓口など、「困ったときに頼れる場所」を1つ決めておきましょう。ひとりで抱え込まないことが、次の一歩を軽くします。

ワンポイント

「早く学校に戻すこと」をゴールにしなくて大丈夫です。まずは子どもが安心を取り戻すこと。その先に、その子に合った学び方や居場所が見えてきます。

ひとりで抱えこまないで — 相談できる窓口

つらい気持ちや、いのち・こころの危機を感じたときは、下記の窓口に相談してください。いじめや家庭の悩み、心身の不調など、どんな内容でも大丈夫です。

相談できる窓口(無料・秘密は守られます)

  • よりそいホットライン0120-279-338 (24時間・無料)
  • 24時間子供SOSダイヤル0120-0-78310 (文部科学省)
  • チャイルドライン0120-99-7777 (18歳まで)
  • 児童相談所相談専用ダイヤル(子育ての悩み)0120-189-783
  • こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556 (厚生労働省)
  • まもろうよ こころ(厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/

生命の危険が迫っている・今すぐ助けが必要なときは、迷わず 110(警察)・119(救急)へ。

よくある質問(FAQ)

Q.中学生の不登校は増えているのでしょうか?
A.文部科学省の調査では、不登校の小中学生は近年増加が続いており、過去最多を更新しています。特に中学生は小学生よりも人数・割合ともに高く、決して珍しいことではありません。まわりと比べて焦らず、お子さんのペースを大切にしてください。
Q.無理にでも学校へ行かせたほうがいいのでしょうか?
A.無理な登校刺激は、かえって回復を遠ざけてしまうことがあります。まずは心身のエネルギーを回復させることが大切です。学校復帰だけをゴールにせず、その子に合った学び方や居場所を一緒に探す姿勢が、結果的に前向きな一歩につながります。
Q.勉強の遅れが心配です。どうすればよいですか?
A.家庭学習、オンライン教材、フリースクール、教育支援センターなど、その子のペースで学べる方法はたくさんあります。一定の要件を満たせば、自宅でのICT等を活用した学習が校長の判断で出席扱いになる場合もあります。まずは学校やスクールカウンセラーに相談してみましょう。
Q.朝起きられない・体調不良が続きます。受診したほうがいいですか?
A.朝の強いだるさや立ちくらみ、頭痛・腹痛などが続く場合、起立性調節障害などの体の状態が背景にあることもあります。「怠け」と決めつけず、小児科などの医療機関に相談してください。診断や治療の判断は専門家にゆだねることが大切です。
Q.誰に相談すればいいのか分かりません。
A.まずは担任やスクールカウンセラー、自治体の教育支援センター・教育相談窓口が身近な相談先です。心身の不調が気になるときは医療機関、いじめや緊急性が高いときは本記事の相談窓口も活用してください。「困ったときに頼れる場所」を1つ確保しておくと安心です。

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監修:株式会社CoCon 代表 洲﨑祐貴

本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療の代替ではありません。心身の不調や発達に関する心配ごとは、医療機関・専門機関にご相談ください。

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この記事を書いた人

CoCon編集部

不登校支援ポータルCoCon編集部。当事者家庭への取材と一次情報をもとに記事を作成しています。

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