THE INSIGHT / 支援制度・窓口
「学校に行けない間の学びが、出席として認められるって本当?」——。学校を休んでいても、家庭でのICTを使った学習や、学校外の施設での相談・指導が、校長の判断で「出席扱い」になる場合があります。文部科学省が要件を示しており、実際に多くの家庭が活用しています。この記事では、出席扱いになる条件を7つの要件で整理し、申請の流れ・準備するもの・学校への伝え方まで具体的にご案内します。制度の一歩を、CoConが隣で一緒に考えます。
「出席扱い制度」とは — まず全体像を知る
「出席扱い制度」という正式な名前の制度があるわけではありません。文部科学省の通知にもとづき、不登校の子どもが学校以外の場で学んだ実績を、校長が「指導要録上の出席扱い」にできる仕組みの通称です。ルートは大きく2つあります。
2つのルート
① 教育支援センターやフリースクールなど学校外の施設で相談・指導を受ける場合
② 自宅でICT等を活用した学習(インターネット教材・遠隔教育・郵送・FAXなど)を行う場合
いずれも最終的に判断するのは校長です。「要件を満たせば必ず認められる」ものではなく、学校・教育委員会と相談しながら進める仕組みだと理解しておきましょう。
自宅学習(ICT等)が出席扱いになる7つの要件
文部科学省の通知では、自宅でICT等を活用した学習を出席扱いとする際の要件が示されています。要点を整理すると、次の7つです。
1. 保護者と学校の間に十分な連携・協力関係がある
保護者と学校が、学習の状況をこまめに共有できる関係にあることが土台になります。
2. ICT等を活用した学習活動である
インターネットや遠隔教育システム、郵送、FAXなどを活用して提供される学習活動であることが対象です。
3. 訪問等による対面指導が適切に行われることが前提
担任などによる家庭訪問や面談といった、対面での関わりが適切に行われることが前提とされています。
4. 学習の理解度をふまえた計画的な学習プログラムである
その子の理解の程度に合わせた、計画的な内容であることが求められます。学習活動を提供するのが民間事業者の場合は、「民間施設についてのガイドライン」を参考に、その子にとって適切かどうかを判断することとされています。
5. 校長が学習活動の状況を十分に把握している
対面指導や学習の状況について、校長が十分に把握していることが必要です。
6. 学校外の公的機関・民間施設で相談・指導を受けられない場合が基本
ICTによる自宅学習の出席扱いは、基本的に、教育支援センター等の学校外施設で相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動が対象とされています。
7. 成果を評価に反映する場合は教育課程に照らして適切と判断される
学習の成果を成績評価に反映する場合は、その内容が学校の教育課程に照らして適切と判断されることが条件になります。
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日 元文科初第698号)別記2。自宅におけるICT等を活用した学習活動の出欠の取扱いについて
学校外施設(教育支援センター等)で受ける場合
教育支援センター(適応指導教室)やフリースクールなど、学校外の施設で相談・指導を受けている場合も、一定の要件のもとで、校長が出席扱いとすることができます。文部科学省の通知(別記1)が示す主な要件は、次のとおりです。
- 保護者と学校の間に十分な連携・協力関係が保たれていること
- その施設に通所または入所して相談・指導を受けることを前提とすること
- その施設での相談・指導が、子どもの社会的な自立を目指すものであり、登校を希望した際に円滑な学校復帰につながる適切な支援と評価できること
対象となる施設は、教育委員会等が設置する教育支援センター等の公的機関が原則です。公的機関での指導の機会が得られない、または通うことが困難な場合には、本人や保護者の希望をふまえ、民間のフリースクール等も考慮され得ます。ただし、民間施設が子どもにとって適切かどうかは、文部科学省が示す「民間施設についてのガイドライン」を参考に、校長が教育委員会と連携して判断します。
施設によっては、学校への「通所状況の報告書」などを発行してくれるところもあります。まずは通っている(検討している)施設に、出席扱いの実績や必要書類について尋ねてみましょう。
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日 元文科初第698号)。通知本文
申請の流れ — 5ステップで整理
「申請書を出せば決まる」ものではなく、学校との相談を重ねて進めるのが実際の流れです。一般的な進め方を5つのステップにまとめました。
担任・学校に「出席扱いを検討したい」と相談する
まずは担任やスクールカウンセラーに意向を伝えます。学校・自治体で運用が異なるため、最初の相談が出発点です。
学習方法・施設を決め、内容を学校と共有する
どの教材・施設を使うか、どんな学習計画にするかを学校とすり合わせます。学校が内容を把握できることが要件のため、ここが重要です。
学習の記録を残す仕組みを整える
学習日・内容・時間などの記録(レポートやログ)を残せるようにします。ICT教材には学習履歴が自動で残るものもあります。
定期的な対面指導・報告の形を決める
家庭訪問や面談など、対面での関わりの頻度と、学習状況を学校に報告する方法を決めます。
校長の判断を受け、運用を続ける
最終的に校長が出席扱いを判断します。開始後も、記録の共有を続けることが大切です。
準備しておくとよいもの
・使いたい教材/施設の資料・パンフレット
・学習履歴やレポートを残せる仕組み
・学習計画のメモ(何を・どれくらい学ぶか)
これらがあると、学校との相談がスムーズに進みます。
相談がうまくいかないと感じたら
「学校に相談したけれど、話が進まない」というケースもあります。これは、制度の運用に学校ごとの差があるためで、あなたや子どものせいではありません。そんなときは、お住まいの市区町村の教育委員会(学校教育課など)に相談する方法があります。教育委員会は、学校と家庭の間に立って調整を担う立場です。制度の運用や、地域で使える教育支援センター等の情報も教えてもらえます。
一人で交渉を抱え込まず、スクールカウンセラーや教育相談センターなど、味方になってくれる相談先を確保しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q.要件を満たせば、必ず出席扱いになりますか?
Q.市販のタブレット教材でも対象になりますか?
Q.フリースクールに通っていても出席扱いになりますか?
Q.出席扱いは成績や内申にも反映されますか?
あわせて読みたい関連コラム
- 不登校でも「出席扱い」になる7つの条件。最新のネット学習活用ガイド
- 諦めないで!一学期の出席扱いの条件と申請のコツ
- 家でのタブレット学習が認められる制度、知っていますか?
- 「どこに相談すれば」に答える。教育支援センターと国の不登校支援制度ガイド
監修:株式会社CoCon 代表 洲﨑祐貴
本記事は文部科学省の通知にもとづく一般的な情報提供です。制度の運用は学校・自治体により異なり、最終判断は校長が行います。具体的な適用については、在籍する学校・教育委員会に必ずご確認ください。
