フリースクール体験を嫌がる子へ。親ができる声かけ

CoCon編集部

THE INSIGHT / お悩み解決

お子さんが不登校になり、親として「何とかしたい」という一心でフリースクールを見つけ、体験を勧めてみたものの、子どもが「行きたくない」と強く拒否する。そんな状況に、あなたは今、途方に暮れているかもしれません。

「せっかく見つけたのに、またダメだった」「私の努力が足りないのか」と、ご自身を責めてしまうこともあるでしょう。しかし、お子さんがフリースクール体験を嫌がるのは、決してあなたが悪いわけではありません。そして、お子さんにとっても、それはごく自然な反応であることが多いのです。

この状況で、私たちはどうすればいいのでしょうか。CoConは、不安を抱える保護者の皆さんに寄り添い、お子さんの「行きたくない」の背景にある気持ちを理解し、次の一歩を踏み出すためのヒントを一緒に考えていきます。

その「行きたくない」の裏側にある子どもの心

お子さんがフリースクール体験を嫌がる時、そこには様々な心の声が隠されています。単に「わがまま」なのではなく、お子さんなりの理由があることを理解することが、最初の一歩です。

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新しい環境への適応不安

不登校を経験しているお子さんの多くは、学校での人間関係や学習面で傷ついたり、困難を感じたりした経験があります。そのため、「また同じような経験をするのではないか」「知らない人たちの中でうまくやれるだろうか」といった新しい環境への強い不安を抱えていることが考えられます。

フリースクールがどんなに良い場所だと説明されても、お子さんにとっては「未知の世界」。過去の経験から、「また失敗したらどうしよう」という恐れが先に立ってしまうのは、無理もないことです。

プレッシャーや期待感からの反発

親御さんが良かれと思ってフリースクールを勧めていることは、お子さんも敏感に感じ取っています。その「期待に応えなければならない」というプレッシャーが、かえって「行きたくない」という反発につながるケースもあります。

特に、不登校のお子さんは、自分の意見や感情が尊重されないと感じる経験を重ねてきた場合、「自分の気持ちを無視しないでほしい」「今の自分を認めてほしい」というメッセージとして「行きたくない」を表明していることも考えられます。

心身のエネルギー不足や不調

不登校のお子さんは、学校に行っていた頃や、不登校になった過程で、心身ともに大きなエネルギーを消耗していることが少なくありません。外に出かけること、新しい人と会うこと、新しい体験をすること、そのすべてが大人には想像できないほどの負担となる場合があります。

朝起きられない、頭痛や腹痛、めまいなどの身体症状は、単なる仮病ではなく、心身のSOSである可能性も十分にあります。エネルギーが枯渇している状態では、新しい一歩を踏み出す気力が出ないのは当然のことなのです。

あなたが悪いわけではありません。「行きたくない」は自然な反応です

お子さんがフリースクール体験を嫌がった時、「私の育て方が悪かったのか」「もっと強く言えばよかったのか」と、自分を責めてしまう保護者の方が多いかもしれません。

しかし、お子さんの「行きたくない」という反応は、不登校という状況にある子どもにとっては、むしろ自然な心の動きです。学校でのつらい経験や、心身の疲れ、そして新しい環境への不安。これらが重なり合って、一歩を踏み出すことを躊躇させているのです。

保護者の方の「何とかしてあげたい」という気持ちは、お子さんへの深い愛情の表れです。その愛情は、決して間違いではありません。お子さんがフリースクール体験を嫌がったとしても、それは決してあなたが悪いわけではありませんし、お子さんを責める必要もありません。

まずは、この状況を「親子の問題」として捉えすぎず、お子さんのペースを尊重しながら、一緒に解決策を探していく姿勢が大切です。

子どもの「行きたくない」に寄り添う3つのステップ

お子さんがフリースクール体験を嫌がった時、焦らず、以下の3つのステップを試してみてください。

1

まずは「嫌な気持ち」を丸ごと受け止める

お子さんが「行きたくない」と言ったら、まずその気持ちを否定せず、「行きたくないんだね」「不安なんだね」と、ありのままを受け止めてあげましょう。理由を問い詰めたり、「せっかく見つけたのに」と親の気持ちをぶつけたりすることは避け、共感的な姿勢を示すことが重要です。お子さんが「自分の気持ちを理解してもらえた」と感じることで、安心感が生まれます。

2

選択肢を広げ、プレッシャーを減らす

フリースクールだけが唯一の居場所ではありません。お子さんに「行かなくてもいいんだよ」「無理しなくていい」というメッセージを伝えることで、肩の荷が下り、心にゆとりが生まれることがあります。他の選択肢、例えば自宅での過ごし方、オンライン学習、地域のイベントなど、「行かない」という選択肢も含めて、一緒に考えてみようと提案してみましょう。

3

小さな「できた」を一緒に見つける

体験に行けなかったとしても、お子さんの良い面に目を向け、小さな「できた」を肯定的に捉えるようにしましょう。例えば、「今日はゆっくり休めたね」「好きな本を読めたね」など、家での穏やかな過ごし方も大切な時間です。自己肯定感を育むことで、いつか自分から「何かしてみようかな」という意欲が湧いてくるかもしれません。無理強いせず、お子さんのペースを尊重する姿勢を貫きましょう。

フリースクール体験を「再考」する際のポイント

お子さんの「行きたくない」という気持ちを尊重しつつも、やはり居場所を見つけてあげたいと考えるのは親心です。その際、体験のハードルを下げる工夫や、他の選択肢も視野に入れることが大切です。

体験のハードルを下げる工夫

いきなり「一日体験」は、お子さんにとってハードルが高いかもしれません。以下のような方法で、段階的に環境に慣れる機会を作れないか、フリースクール側に相談してみるのも良いでしょう。

  • 親御さんも一緒に見学や体験に参加する
  • 短時間(1時間程度)から始める
  • まずはオンラインでの交流会や説明会に参加してみる
  • フリースクールのスタッフとだけ、事前にオンラインで話す機会を設ける
  • 資料を一緒に見たり、ウェブサイトを一緒に閲覧したりする

お子さんの「これならできるかも」という小さな一歩を大切にしてください。

フリースクール以外の選択肢も視野に入れる

フリースクールは多様な学びの場の一つですが、お子さんに合う場所は他にもたくさんあります。視野を広げてみましょう。

  • 教育支援センター(適応指導教室):公的な機関で、学校復帰を目標とする場合が多いですが、様々な活動を提供しています。
  • 地域の居場所やNPO団体:学習支援や遊び、交流の場など、地域には様々な活動を行っている団体があります。
  • オンライン学習や通信制の学校:自宅で学習を進められるため、外出への抵抗があるお子さんには有効な選択肢です。
  • 自宅での学習や活動:お子さんの興味関心に基づいた活動を、家庭内で見守ることも大切な居場所です。

💡 ワンポイント

文部科学省の調査(令和4年度)によると、不登校児童生徒数は約29.9万人と過去最多を更新しています。これは、多くの子どもたちが学校以外の学びや居場所を求めている社会の状況を示唆しています。多様な学びの場や居場所が社会全体で求められており、フリースクールはその一つに過ぎません。お子さんに合う場所は必ず見つかります。

専門家への相談も検討する

お子さんの不安が非常に強い場合や、心身の不調が長引く場合は、専門家のサポートを検討することも大切です。一人で抱え込まず、外部の力を借りることで、より適切な対応が見つかることもあります。

  • スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー:学校に配置されている専門家です。
  • 教育相談センター:地域の教育委員会が運営しており、不登校に関する相談を受け付けています。
  • 児童精神科医や心療内科医:心身の不調が疑われる場合や、発達特性が関係している可能性も考慮し、専門的な診断やアドバイスを求めることができます。

⚠️ 注意

もし、お子さんに強い自傷行為や希死念慮が見られる場合、または心身の不調が著しく、日常生活に支障をきたしている場合は、すぐに専門機関へご相談ください。ひとりで抱え込まず、外部のサポートを求めることが大切です。

【主な相談窓口】
よりそいホットライン:0120-279-338(24時間対応)
こども家庭庁:子どもの人権110番、チャイルドラインなど(ウェブサイト参照)

お子さんのペースで、焦らず居場所を探しましょう

お子さんがフリースクール体験を嫌がったとしても、それは決して失敗ではありません。お子さんが自分自身の気持ちを表現できた、大切な一歩と捉えることもできます。

大切なのは、お子さんのペースを尊重し、焦らず、根気強く寄り添い続けることです。すぐに答えが見つからなくても、お子さんが「自分らしくいられる場所」は必ず見つかります。その道のりは、時に長く感じられるかもしれませんが、お子さんとの信頼関係を深める貴重な時間でもあります。

CoConは「不登校の家庭をひとりにしない。CoConが、隣で考えます。」という姿勢で、皆さんの隣に寄り添います。どんな小さな悩みでも、どうぞ私たちに話してください。一緒に、お子さんの未来を考えていきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q.不登校の子どもがフリースクール体験を嫌がるのはなぜですか?
A.新しい環境への適応不安、親の期待へのプレッシャー、そして心身のエネルギー不足などが考えられます。過去の経験から「また失敗したらどうしよう」という恐れや、自分の気持ちを認めてほしいというメッセージが背景にあることも少なくありません。これは不登校の子どもにとって自然な反応です。
Q.フリースクールに行かせないと、子どもの将来が不安です。
A.お子さんの将来を案じるお気持ちはよくわかります。しかし、フリースクールだけが唯一の選択肢ではありません。教育支援センター、地域の居場所、オンライン学習、自宅での活動など、お子さんに合った学びや居場所は多様に存在します。お子さんのペースを尊重し、焦らず最適な道を探すことが重要です。
Q.フリースクール体験に行かない場合、親はどう接すれば良いですか?
A.まずはお子さんの「行きたくない」という気持ちを否定せず、共感的に受け止めることが大切です。理由を問い詰めず、「不安なんだね」「無理しなくていいよ」と伝え、プレッシャーを減らしましょう。そして、行けなかったとしても、家での小さな「できた」を肯定的に捉え、自己肯定感を育む関わりを心がけてください。
Q.フリースクール体験のハードルを下げる工夫はありますか?
A.はい、あります。いきなり一日体験ではなく、親も一緒に見学する、短時間から始める、オンラインでの交流会に参加する、スタッフと事前に話す機会を設けるなど、段階的に慣れる工夫をフリースクール側に相談してみるのがおすすめです。お子さんの「これならできるかも」という小さな一歩を大切にしましょう。
Q.子どもが心身の不調を訴えている場合、どうすれば良いですか?
A.頭痛や腹痛などの身体症状は、心身のSOSである可能性があります。無理に外出させようとせず、まずはゆっくり休ませ、必要であれば小児科や児童精神科医などの専門機関を受診することを検討してください。心身の状態に合わせた専門的なサポートが、お子さんの回復につながることもあります。

参考になるサービス・情報

お住まいの状況に合わせて、次のような外部の窓口・サービスも活用できます。最新の内容は各サイトでご確認ください。

🆘 ひとりで抱えこまないで — 相談できる窓口

つらい気持ちや、いのち・こころの危機を感じたときは、ひとりで抱えこまず、下記の窓口にご相談ください(無料・秘密は守られます)。

  • よりそいホットライン0120-279-338 (24時間・無料)
  • 24時間子供SOSダイヤル0120-0-78310 (文部科学省)
  • チャイルドライン0120-99-7777 (18歳まで)
  • 児童相談所虐待対応ダイヤル189 (いちはやく)
  • 児童相談所相談専用ダイヤル(子育ての悩み)0120-189-783
  • いのちの電話(ナビダイヤル)0570-783-556 (10:00〜22:00)
  • いのちの電話(フリーダイヤル)0120-783-556 (毎日16:00〜21:00・毎月10日8:00〜翌8:00)
  • こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556 (厚生労働省)
  • まもろうよ こころ(厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/

生命の危険が迫っている・今すぐ助けが必要なときは、迷わず 110(警察)・119(救急)へ。

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監修:株式会社CoCon 代表 洲崎祐貴

本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療の代替ではありません。心身の不調は専門機関にご相談ください。

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この記事を書いた人

CoCon編集部

不登校支援ポータルCoCon編集部。当事者家庭への取材と一次情報をもとに記事を作成しています。

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