子どもの不登校に「介護休業」条件に適合で活用可能

CoCon編集部

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不登校のお子さんを抱える保護者の皆さんは、仕事と子どものケアの両立に日々奮闘されていることと思います。子どものために仕事を休む必要があっても、どんな制度が使えるのか、職場にどう伝えればいいのか、一人で悩んでしまうことも少なくないでしょう。そんな中、最近注目されているのが、子どもの不登校対応に「介護休業」が活用できる可能性があるというニュースです。

しかし、この重要な制度が、親にも企業の人事担当者にもほとんど知られていないという実態が明らかになりました。CoConは、このニュースが保護者の皆さんの働き方や子育ての選択肢を広げるきっかけとなるよう、詳しく解説します。

「不登校に介護休業」とは? 国が示す新しい可能性

サイボウズ株式会社が実施した調査から、子どもの不登校や行き渋りへの対応に「介護休業」が活用できる可能性があるにもかかわらず、その事実がほとんど知られていない現状が浮き彫りになりました。

「介護休業」と聞くと、高齢の家族を介護するための制度というイメージが強いかもしれません。しかし、厚生労働省や文部科学省が公表している情報では、不登校の子どもが育児・介護休業法における「常時介護を必要とする状態」に該当する場合、保護者が介護休業・休暇制度を利用できる可能性が明記されています。

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例えば、厚生労働省の報告書では、「いわゆるひきこもり、不登校の状態にある対象家族が『常時介護を必要とする状態』に該当するか否かの判断に当たっては、(中略)基準に照らして判断すべきものであり、個々の事情に応じた適切な制度運用がなされるよう留意すべきである」とされています(厚生労働省 令和7年1月報告書)。また、文部科学省と厚生労働省が共同で事業主向けに発行したリーフレットでも、この点が明確に示され、企業への周知が呼びかけられています。

⚠️ 注意

これは「不登校であれば自動的に利用できる」という意味ではありません。「常時介護を必要とする状態」という、育児・介護休業法で定められた特定の基準に照らして該当する場合に利用できる、という条件付きの制度です。個々の状況によって判断が異なりますので、詳細は勤務先や専門家にご確認ください。

働く親の8割が「知らない」制度の現状

国が周知を促しているにもかかわらず、今回の調査では、この制度がほとんど知られていない実態が明らかになりました。

「介護休業」の内容を知っている親はわずか3割

企業で働く子育て中の親1,000人への調査では、「介護休業」の内容まで知っていると答えたのはわずか34.5%でした。「在宅勤務・テレワーク」(54.1%)や「フレックスタイム」(50.8%)といった他の働き方と比べると、その認知度は低い水準にとどまっています。多くの方が「介護」という名称から、高齢者のケアのための制度だと捉え、不登校の子どもとの関連を想像しにくいのかもしれません。

不登校対応に使えることを「知らなかった」親が8割

さらに、「介護休業が企業によっては子どもの不登校・行き渋りへの対応にも活用できる場合がある」という事実そのものを知っていたか尋ねたところ、「知らなかった」が63.3%、「聞いたことはあるが詳しくは知らなかった」が17.0%と、合わせて80.3%もの親が正確に理解していませんでした。

実際に不登校や行き渋りを経験した親500人のうち、介護休業を使えたのはわずか3.0%にとどまっています。多くの場合、年次有給休暇で対応しているという実態が見えてきました。

(特定非営利活動法人キーデザイン 土橋優平 代表理事のコメントより)
不登校の渦中にいる保護者は、情報を取りに行く余力そのものを失っていることが多くあります。「知っていれば71.6%が活用したい」のに実際の活用は3.0%という結果は、制度の有無の問題ではなく、「困ったら相談してください」という受け身の設計が、声を上げる力を失った家庭ほど素通りしてしまう構造の問題だと捉えています。

「知っていれば使いたい」保護者の声と企業に求められること

もし勤務先から介護休業の活用方法について案内されていたら活用したいと思うか、という問いに対して、71.6%の親が「ぜひ活用したい」「状況によっては活用したい」と回答しました。この結果は、制度が知られていないことが、活用の大きなハードルになっていることを示唆しています。

また、子どもの不登校対応で働く親が仕事を続けやすくするために企業に求めることの1位は、「使える制度(介護休業を含む)の積極的な周知」(53.6%)でした。「上司・同僚が理解を示す文化」(45.8%)や「在宅勤務・時差出勤など柔軟な働き方」(38.2%)も重要ですが、まずは制度が知らされることへの期待が大きいことがわかります。

CoConも、保護者の皆さんが自分に合った働き方を選び、安心して子どものケアに専念できる環境が整うことを願っています。そのためには、制度の存在を知るだけでなく、それを活用しやすい職場の雰囲気づくりも欠かせません。

企業人事も知らない? 制度周知の課題

この制度の認知度の低さは、保護者だけに限った話ではありません。人事担当者500人への調査でも、70.4%が「介護休業が不登校対応に使える」ことを正確に理解していませんでした。国からの周知が始まったのが比較的最近(2025年11月)であるため、まだ情報が浸透しきっていない面もあるでしょう。

さらに、人事担当者の58.6%が「現場では制度が使いにくい雰囲気がある」と感じていることも明らかになりました。にもかかわらず、制度を「積極的に周知している」企業はわずか19.4%にとどまり、「個別に相談があった際に案内すれば十分だと思っている」という受け身の姿勢が多数を占めています。

現場に「言い出しにくさ」がある中で「相談を待つ」という運用では、本当に制度を必要としている、しかし声を上げにくい保護者を素通りさせてしまう可能性があります。保護者が職場で相談しない理由として、「言い出せない雰囲気だった」(22.0%)、「相談しても変わらないと思った」(29.6%)、「評価に悪影響があると思った」(12.2%)という声が上がっていることからも、この「相談待ち」の姿勢が、保護者の孤立を深める一因になっていると考えられます。

不登校対応の「介護休業」を考えるCoConからの提案

お子さんの不登校と向き合いながら仕事を続けることは、非常に大変なことです。CoConは、保護者の皆さんが一人で抱え込まず、利用できる制度を賢く活用できるよう、隣で考え、サポートしたいと願っています。今回のニュースを受けて、今日からできることを3つのステップで考えてみましょう。

1

勤務先の就業規則を確認する
まずは、ご自身の会社の就業規則や人事制度を確認してみましょう。介護休業制度の有無や、どのような場合に利用できるのか、適用条件が詳しく記載されているはずです。不明な点があれば、人事担当者や労務担当者に問い合わせることも検討してください。

2

国の情報を参考にする
厚生労働省や文部科学省が公表しているリーフレットや報告書を参照し、「常時介護を必要とする状態」に関する判断基準を理解することも大切です。これにより、ご自身のお子さんの状況が制度の対象となりうるかどうかの判断材料になります。

3

専門家や相談窓口に相談する
制度の活用について迷う場合や、会社への相談が難しいと感じる場合は、社会保険労務士や会社の相談窓口、CoConのような不登校支援機関に相談してみましょう。第三者の視点や専門知識が、解決への道を開いてくれることがあります。

💡 ワンポイント

介護休業中の時間を使って、お子さんに合ったフリースクールや居場所探しをすることも有効です。家庭だけで抱え込まず、外部のサポートも積極的に活用しましょう。フリースクールでは、お子さんの興味やペースに合わせた学びの機会を提供し、自己肯定感を育むサポートをしてくれます。

お子さんの不登校は、決して保護者の皆さんの頑張り不足が原因ではありません。社会全体でサポートしていくべき課題です。CoConは、不登校の子どもを持つ家庭が孤立することなく、安心して過ごせる社会を目指して、皆さんの隣で考え続けていきます。

もしもの時に知っておきたい相談窓口

不登校に関する悩みや、働き方について不安を感じた際は、一人で抱え込まず、専門機関や相談窓口を利用することも大切です。以下は、もしもの時に頼れる相談窓口の一例です。

  • よりそいホットライン:どんなひとの、どんな悩みにも寄り添い、一緒に解決する方法を考えます。(電話:0120-279-338
  • こども家庭庁「こども若者ケアラー支援」相談窓口:介護や世話を担うこども若者ケアラーに関する相談を受け付けています。(Webサイトより詳細をご確認ください)
  • 地域の社会福祉協議会:地域の福祉に関する総合的な相談を受け付けています。

よくある質問(FAQ)

Q.介護休業は不登校の子どもにも使えるのでしょうか?
A.はい、子どもの不登校が育児・介護休業法における「常時介護を必要とする状態」に該当する場合、介護休業を利用できる可能性があります。ただし、不登校であれば自動的に使えるわけではなく、個別の状況に応じた判断が必要です。勤務先の就業規則や国の基準を確認することをおすすめします。
Q.介護休業を使うための具体的な条件は何ですか?
A.介護休業は、家族が「常時介護を必要とする状態」にある場合に利用できます。厚生労働省の基準に照らして判断されるため、お子さんの状態がこの基準に合致するかどうかを確認する必要があります。詳細は勤務先の人事担当者や、国の関連資料で確認しましょう。
Q.勤務先が介護休業制度を不登校対応に使えることを知らない場合はどうすればいいですか?
A.まずはご自身の勤務先の就業規則を確認し、人事担当者に相談してみるのが第一歩です。国も事業主向けにリーフレットで周知を促しているため、その情報を提示することも有効かもしれません。必要であれば、社会保険労務士などの専門家やCoConのような支援機関に相談し、アドバイスを求めることも検討してください。
Q.介護休業中にできることは何ですか?
A.介護休業は、お子さんのケアに集中するための時間として活用できます。例えば、お子さんの体調管理や精神的なサポート、医療機関やカウンセリングの受診、フリースクールや地域の居場所探し、学校との連携などを進めることが考えられます。家庭だけで抱え込まず、外部の専門機関のサポートも積極的に利用しましょう。

参考・出典元

本記事は以下の公的機関等の情報を参考に作成しています。制度の詳細・最新情報は必ず一次ソースでご確認ください。

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この記事を書いた人

CoCon編集部

不登校支援ポータルCoCon編集部。当事者家庭への取材と一次情報をもとに記事を作成しています。

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