鎌倉の絵本カフェ Book Nook Cafe Kamakura(クラウドファンディング)

【鎌倉】「ひとりでいられる。でも、ひとりきりじゃない」――絵本カフェが挑む、ママと子どもの“居場所”づくり

ayamo

「いちばん近くに子どもがいたのに、いちばん孤独だった」――そんな言葉を、聞いたことはありませんか。

学校に行きづらいわが子と過ごす毎日も、生まれたばかりの赤ちゃんと向き合う日々も、外から見れば「守られている」ように映るかもしれません。けれどその内側では、社会からそっと切り離されたような、静かに息をつめる苦しさを抱えている人がいます。「がんばっているのに、どこにも居場所がない」。その感覚は、子どもだけのものではありません。そばで支える大人もまた、居場所を必要としています。

いま、神奈川県鎌倉市で、そんな親子のためのちいさな「居場所」を生み出そうとしている人がいます。絵本とお花のある、小さなカフェ。名前は「Book Nook Cafe Kamakura(ブックヌックカフェ鎌倉)」。掲げられたコンセプトは、「ひとりでいられる。でも、ひとりきりじゃない」。この一行に込められた想いを、追いました。

「5年後にできたらいいな」が、いま動き出した

プロジェクトを立ち上げたのは、藤原(奈良)珠季(ふじわら〈なら〉たまき)さん。鎌倉市で学習教室「学び舎Cotobaco(ことばこ)」を営み、10年以上にわたって子どもたちの学びに寄り添ってきました。そして今は、2人のお子さんを育てるお母さんでもあります。

「絵本カフェをつくれたらいいな」。それは、藤原さんが「5年後にできたらいいな」と胸の奥にしまっていた夢でした。ところが2026年の8月下旬、ある物件との出会いをきっかけに、その夢は一気に現実へと動き出します。「まだ準備が整っていない」ではなく、「動き出したいまだからこそ、この場所が生まれる過程そのものを、みんなと一緒につくっていきたい」。完成した姿を見せるのではなく、生まれる瞬間から分かち合う――そのために選んだのが、クラウドファンディングという挑戦でした。

絵本とお花と、小上がり。子どもの目線でつくる、やさしい空間

「Book Nook Cafe Kamakura」が目指すのは、絵本とお花のある小さなカフェです。棚は、大人ではなく子どもの目線で本を手に取れる高さに。親子で靴を脱いでゆっくり過ごせる小上がりを設け、赤ちゃん連れでも、幼い子でも、心からくつろげる場所を用意します。

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メニューにも、藤原さんのまなざしが宿ります。米粉の焼き菓子、こだわりのコーヒー、体をいたわる薬膳茶。どれも「作り手の顔が見える」ものばかり。絵本の世界と現実の暮らしをつなぐイベントも計画されていて、ただ飲食するだけの場所ではなく、物語と人がゆるやかに出会う場になっていきます。

場所は、湘南モノレール・富士見町駅の近く(詳しい住所は店舗確保後に案内予定とのことです)。店舗の確保は2026年11月頃を予定しています。観光地・鎌倉のにぎわいの、少しだけ内側。暮らしの手ざわりが残るこの町で、あたらしい灯りがともろうとしています。

なぜ、いま“居場所”なのか――産後のママ、そして不登校の子どもたち

この場所の根っこには、藤原さん自身の経験があります。出産を経て、社会から切り離されたような感覚。心と体が思うようにならない日々。「ふっと力を抜いて、それでも社会の中にいられる場所」が、どれほど必要だったか――。だからこそ、Book Nook Cafeは「困ってから行く場所」ではなく、「困っていない日から、ふらりと行ける場所」を目指します。

産後のママの心の負担は、けっして特別なことではありません。産後の女性のおよそ10人に1人が、産後うつのリスクを抱えるとも言われています。頼っていいはずなのに、「母親なのに」と口をつぐんでしまう。その孤立を、やわらかくほどく場所が求められています。

そしてこの想いは、学校に行きづらい子どもたちと、その家族にも、まっすぐ重なります。文部科学省の調査によれば、小・中学校の不登校の子どもは全国で約35万人(令和6年度調査/小中合計353,970人)にのぼり、増加が続いています。プロジェクトによれば、鎌倉市内でも不登校の子どもは2013年度の104人から、2023年度には382人へと増えているといいます。学校でも、家でもない、「もうひとつの居場所」を必要としている親子が、この町にも、確かにいるのです。

絵本を静かにめくる時間。となりで、だれかがコーヒーを淹れている気配。話しかけられなくてもいい、でも、ひとりきりではない。「ひとりでいられる。でも、ひとりきりじゃない」というコンセプトは、産後のママにも、不登校の子にも、その保護者にも、そっと差し出された手のように響きます。

「完成」はゴールじゃない。一緒に“育てる”場所へ

藤原さんは言います。カフェが完成したら終わり、ではない。「場所を育てていくことが、はじまり」だと。オープンはスタートラインにすぎず、訪れる人の声を聞きながら、少しずつ形を変え、町に根を張っていく。だからこそ、生まれる過程からの参加を呼びかけているのです。

クラウドファンディングは、単なる資金集めではありません。「この場所を、いっしょにつくった」という記憶を分かち合う仕組みです。支援した人の名前が壁に刻まれ、プレオープンに招かれ、いつかその小上がりで、自分の子どもが絵本を開く――。そんな未来に、いまから立ち会うことができます。

クラウドファンディング概要と、応援の方法

プロジェクト名は「ママも、子どもも、地域の人も。鎌倉に誕生する絵本カフェプロジェクト!」。クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」で挑戦中です(2026年9月〜10月)。

目標金額は150万円。2026年9月21日時点で107,000円(達成率約7%)、支援者12人。さらにその先には、場所を長く育てていくための基盤づくりとしてネクストゴール300万円が掲げられています。募集終了まで、残りおよそ40日。まだ、始まったばかりです。

リターン(支援のお礼)の例

  • 3,000円:絵本の購入を応援+感謝のメッセージ
  • 5,000円:「Founding Supporters」としてお名前を掲載
  • 7,000円:プレオープンへのご招待+ドリンクチケット
  • 10,000円:ドリンク10杯分パスポート(Book Nook Passport)
  • 15,000円:カフェ貸切2時間(最大6名)

金額の大小ではありません。「こういう場所があってほしい」という願いを、いま一票として届けられる――それがクラウドファンディングのいちばんの力です。詳細・ご支援は、CAMPFIREのプロジェクトページ(camp-fire.jp/projects/981783)からご覧いただけます。支援だけでなく、この記事やプロジェクトを「必要としている誰かに届くよう、シェアする」ことも、確かな応援になります。

灯りは、ひとつでは足りない

学校が合わなくても、育児にとまどっても、それは誰のせいでもありません。必要なのは「がんばれ」の言葉よりも、力を抜いて座っていられる、やわらかな椅子と、そっと置かれた一冊の絵本かもしれません。鎌倉に生まれようとしている小さなカフェは、そんな椅子と絵本を、まちの真ん中に用意しようとしています。

こうした「もうひとつの居場所」は、全国のあちこちで、ひとつ、またひとつと灯りはじめています。けれど、その灯りは、放っておいて増えるものではありません。近くにいる私たちが、気づき、手を添えることで、はじめて町に根づいていきます。鎌倉のこの一歩が、あなたのまちの次の一歩に、きっとつながっていきます。

不登校の家庭をひとりにしない。CoConは、こうして各地で生まれる「居場所」の芽を、これからも見つけ、伝え、隣で応援していきます。

参考・出典

  • CAMPFIRE「ママも、子どもも、地域の人も。鎌倉に誕生する絵本カフェプロジェクト!」https://camp-fire.jp/projects/981783/view(プロジェクト内容・金額・支援状況・鎌倉市の不登校児童生徒数は同ページの記載に基づく/記事執筆時点)
  • アイキャッチ写真:藤原(奈良)珠季さん(Book Nook Cafe Kamakura)よりご提供・掲載許諾済み
  • 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(小・中学校の不登校 353,970人)

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コラムニスト

ayamo

5歳差ボーイズ子育て中、2児の母。上の子は2年間の完全不登校から、一歩を踏み出し中。愛すべき日常や、そんな暮らしの中の不登校を綴ります♡飄々とした人に憧れる暑苦しい人です。
note:https://note.com/ayamo3278

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