不登校課題、政党アンケートを公開!
各政党の施策はどこが違う?
【第51回衆議院議員選挙・専門家解説付き】
2026年2月8日投開票の衆議院議員選挙に向けて、不登校ジャーナリストの石井しこう氏と、不登校相談員の伊藤真依氏が、各政党へ「不登校に関する施策」の調査を実施しました。
CoConでは、この重要な調査結果を全文公開するとともに、専門家による論点解説を掲載します。
「どこに着目すればよいか分からない」という方は、ぜひ最後まで読み進めてください。
目次
- アンケート概要
- 調査項目(4つの設問)
- 各政党の回答(全文掲載)
- 専門家による3つの論点解説
1. アンケート概要
- 実施期間: 2026年1月28日~2月2日
- 対象: 主要政党11団体
- 回答政党: 自由民主党、日本維新の会、中道改革連合、国民民主党、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党
2. 調査概要
今回の調査では、以下の4つの視点について各党の意見を問いました。
Q1. 最優先と考えている施策は?
Q2. 「不登校離職」への対策は?
Q3. 「ネット出席制度」の周知・改善は?
Q4. 「いじめ問題」への実効性ある対策は?
3. 各党回答(原文ママ)
■ 自由民主党
Q1. 最優先施策
学びの多様化学校(不登校特例校)の設置促進や校内教育支援センターの充実を図り、教育支援センター機能の強化、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー等の配置拡充、オンライン相談・指導や保護者支援を推進します。
Q2. 不登校離職への対応(はい)
不登校への対応が家庭のみの負担とならないよう支援体制の整備を進めるほか、育児・介護休業法における「常時介護を必要とする状態」に該当する場合の休業利用等について、引き続き周知します。
Q3. ネット出席制度(はい)
取組事例の更なる周知などを通じて、制度の浸透を図ります。
Q4. いじめ問題(はい)
「いじめ防止対策推進法」に基づく対策の点検、情報モラル教育、学校と警察等の関係機関との連携による対応を進めます。
■ 日本維新の会
Q1. 最優先施策
①学びへのアクセス100%把握、②経済的支援の実現、③学びの多様化学校の設置基準緩和、④保護者への情報強化の全国推進の4本柱を立てています。
Q2. 不登校離職への対応(はい)
不登校離職防止策をさらに拡充するため幅広い税制優遇の方策を提案します。
Q3. ネット出席制度(はい)
フリースクールや民間団体による中間組織的な活動の拡大など、官民の連携拡大が不可欠だと考えます。
Q4. いじめ問題(はい)
いじめ動画の撮影・拡散への法的対応強化、加害側の環境変更を原則とした再発防止策を整備すべきだと考えています。
■ 中道改革連合
Q1. 最優先施策
学びの多様化学校を全国に設置し、全小中学校のサポートルームや居場所の確保を推進します。
Q2. 不登校離職への対応(はい)
企業における不登校の介護休業等の柔軟な働き方への対応、総合的な情報サイトの設置を推進します。
Q3. ネット出席制度(はい)
学ぶ権利を保障するため、対策を検討します。
Q4. いじめ問題(はい)
少人数学級の推進、子どもコミッショナーの設置、SNSリテラシー向上を強力に進めます。
■ 国民民主党
Q1. 最優先施策
子ども包括支援センターや学校型不登校特例校の設置を推進。いじめ対策としてスクールポリスの制度化や加害者の厳罰化を図ります。
Q2. 不登校離職への対応(はい)
不登校児童への福祉・医療・家庭への経済的支援を省庁間の隔てなく、児童個々単位での適切な支援を強化します。
Q3. ネット出席制度(はい)
制度の適切な活用を促進するとともに、児童個々単位での適切な支援を強化します。
Q4. いじめ問題(はい)
第三者機関を設置する他、スクールポリス(警察との連携)の制度化や加害者の厳罰化を図ります。
■ 日本共産党
Q1. 最優先施策
不登校は怠けでなく、心が傷ついている状態。休息・回復を支援の中心に据え、全国学力テストなど管理教育を見直します。
Q2. 不登校離職への対応(はい)
「不登校休業制度」を創設します。子ども用の休業基準をつくり、期間を年単位にするなど十分にケアと両立できる働き方にします。
Q3. ネット出席制度(はい)
学校側の認識向上と手続きの簡素化を求めます。同時にあわない子が追いつめられない配慮も必要です。
Q4. いじめ問題(はい)
いじめは人間を奴隷化するプロセスだという認識に変えていくことがカギ。教職員の増員などを進めます。
■ れいわ新選組
Q1. 最優先施策
学校に起因する不登校。本人が安心していられる居場所(フリースクール等)へのアクセスを、行政と民間が協力して進める必要があります。
Q2. 不登校離職への対応(はい)
日中安心していられる場所の確保と、フリースクールに通う子への就学支援金等の公的支給を国の施策として実施すべきです。
Q3. ネット出席制度(はい)
教育支援センターを窓口にしたり、NPOの居場所に案内を置くなど周知を広げるべき。柔軟な機会保障が大切です。
Q4. いじめ問題(はい)
誰も排除しないインクルーシブな学校への再生が必要。教員が一人ひとり向き合える働き方改革を早急に進めます。
■ 社会民主党
Q1. 最優先施策
すべての子どもが教育を受ける権利を保障。フリースクールや家庭学習への支援を優先し、専門職の常勤配置を求めます。
Q2. 不登校離職への対応(はい)
育児休暇制度の柔軟化や雇用の継続支援を進め、所得の減少を防ぐ社会保障措置が必要です。
Q3. ネット出席制度(はい)
学校現場と教育委員会レベルでのガイドライン策定、情報提供の強化に取り組みます。
Q4. いじめ問題(はい)
スクールカウンセラー等の専門職常勤配置や、いじめが可視化され放置されない仕組みを整えます。
4. 専門家・伊藤真依によるポイント解説
各政党の回答から見えてきた、3つの重要な視点を整理します。
視点① 不登校離職:周知か、新制度か
「現行の介護休業制度を周知・活用する」(自民など)か、
「不登校に特化した新制度(不登校休業など)を創設する」(共産など)か、
または「居場所への補助金等で経済支援を行う」か、切り口が明確に分かれています。
視点② ネット出席制度:周知の具体策に差
制度自体の必要性は各党一致していますが、「どこを窓口にして広めるか」や「対面指導の要件をどう緩和するか」といった具体策の踏み込み具合に違いが見られます。
視点③ いじめ問題:加害者へのスタンス
予防重視は共通ですが、「加害者の厳罰化やスクールポリス連携」(維新・国民など)を打ち出すか、「管理教育の撤廃や教員増員による環境改善」(共産・れいわ・社民など)を重視するかで対照的です。
あなたは、何を重視しますか?
各党の回答を比較し、これからの教育のあり方を、一緒に考えていきましょう。
出典:不登校オンライン(https://futoko-online.jp/)