「学校の外」も、公教育の一部になる。
——岡山市が2026年度に踏み出す、全国注目の「3層の不登校支援」とは

2026年度、岡山市が不登校支援のために合計約1.7億円もの予算を投入することを決めました。特筆すべきは、単に場所を作るだけでなく、民間のフリースクールに通う家庭の「お金の負担」まで市がサポートするという点です。

1. 「家計の壁」を取り払う:月1万円の利用料補助

これまで不登校の家庭にとって、フリースクールという選択肢には大きな「経済的負担」という壁がありました。義務教育である公立小中学校は無料ですが、フリースクールの多くは月額3〜5万円程度の費用がかかるからです。

  • 2,050万円の予算枠: 岡山市は、市が登録したフリースクールを利用する場合、月額1万円を上限に利用料の半分を補助します。
  • 選べる自由を支える: 「本当は子どもに合った場所があるけれど、お金がかかるから通わせてあげられない」という親御さんの悩みに、行政が直接応えた形です。

2. 1.45億円の大型予算で「校外の居場所」を新設

さらに岡山市は、学校そのものとは別の公的な施設に「学びの場」を増設するため、1億4,500万円余という巨額の予算を計上しました。

  • 「学校の敷地に入れない」子への配慮: 校門をくぐること自体に心理的ハードルがあるお子さんのために、学校以外の公共施設等に新しい居場所(校外支援教室)を整備します。
  • 公的なサポートの安心感: 民間だけでなく、行政自らが「第3の学び場」を拡大することで、より多様なグラデーションの居場所が選べるようになります。

3. 校内でも「クラス以外」の選択肢を充実

「クラスには入れないけれど、学校には行ける」というお子さんのためにも、346万円を投じて「校内支援教室(別室)」の機能を強化します。

  • 無理をさせない登校スタイル: 無理に教室の椅子に座るのではなく、まずは安心できる別室で過ごす。そんなステップを、学校が「公式な学び」として認め、サポートする体制を整えています。

■ まとめ:岡山市が目指す「3層のセーフティネット」

岡山市の取り組みをまとめると、お子さんの状態に合わせて以下の3段階の居場所を「公的に」用意したといえます。

  1. 【校内】 別室で静かに過ごす(校内支援教室)
  2. 【校外】 学校以外の公共施設で学ぶ(校外支援教室)
  3. 【民間】 好きなフリースクールへ通う(利用料補助)

「不登校=教育からの脱落」ではなく、どんな環境にいても子どもが学び続けられ、親が一人で負担を抱え込まなくていい社会。岡山市の1.7億円は、そんな新しい時代の「教育のカタチ」を具体的に示しています。

 

学校に行かないことが、一つの正当な「選択」になる。
岡山市の挑戦は、全国の家庭にとっての「希望」の指標です。

 

Unschool. Unlock.