NEW TERM SERIES: Vol.7 / DIGITAL WORLD

【連載:新学期と不登校】

4月のカレンダーが開くとき、社会は一斉に「新しい始まり」を祝います。しかし、その光の中で立ち止まり、教室という「型」に違和感を抱く子どもたち、そしてその傍らで不安に揺れる親御さんがいます。

不登校は、決して挫折ではありません。それは、不適合な環境から自らの心と命を守るために敢行した、能動的な「学校からの脱出」であり、自分らしい学びを再構築するための「調律(チューニング)」の期間です。本連載では、既存の教育観から親子をアンロック(解放)し、新しい学びのカタチを共に見つけるための視点を、多角的な分析と共にお届けします。

ゲーム「依存」を「才能」に変える
——デジタルデバイスという新しい学びの窓を拓く

昼夜逆転、一日中誰とも会話せずにゲーム、画面越しでしか見えない世界。「このまま依存症になってしまうのでは?」という恐怖は、多くの不登校家庭に共通する悩みです。

■ ゲームは「逃避」ではなく「リハビリ」

学校という過酷な環境で心に大きなダメージを負った子どもにとって、ゲームや動画の世界は、誰にも邪魔されず、自分のペースで楽しめる「安全なリハビリテーション」の場として機能することがあります。

現実世界で「自分はダメだ」という無力感に苛まれているとき、ゲーム内でのクリアやレベルアップ、オンライン上の仲間との連携は、崩れかけた自己肯定感を繋ぎ止める貴重な成功体験となります。
親がまず、「ゲーム=悪いもの」という固定観念を取り払うよう努力してみてください。それは、彼らにとっての「心の支え」なのかもしれません。

■ 21世紀の「教室」は、画面の向こうにある

不登校の子どもたちがデジタルデバイスを通じて得ているのは、単なる娯楽ではありません。
例えば、世界中で愛されるサンドボックスゲームを通じた論理的思考や建築デザイン。動画編集ソフトを通じたクリエイティブな表現。あるいは、プログラミングや、海外のプレイヤーとの英語によるコミュニケーション。

学校教育の「型」が教えられない、現代社会で最も必要とされる「デジタルリテラシー」を、彼らは夢中になる(没頭する)ことで自ら獲得しています。これを「依存」と呼ぶか「探究」と呼ぶか。その評価の転換が必要ではないでしょうか。

■ 「取り上げる」よりも「分かち合う」

デバイスの使用を厳しく制限したり、無理に取り上げたりすることは、多くの場合、親子関係の断絶を招くだけに終わります。
大切なのは、子どもがそのデバイスで「何に心動かされているのか」に興味を持つことです。

「どんなところが面白いの?」「何がすごいの?」と話かけ、その世界の魅力を分かち合おうとする姿勢。子どもは、自分の熱中しているものを親に承認されたとき、初めて「画面の外の世界」にも意識を向け始めます。安心のベースキャンプが家庭にあると確信できてこそ、子どもは自らデバイスを置き、外の光を浴びる勇気を持てるのです。

■ デバイスは、未来と繋がる「窓」

不登校という時間を、ただ「学校に行かない時間」にするのではなく、デジタルという武器を磨き、自分だけの専門性を育む時間に転換する。

学校という箱の中にはなかった新しい学びの窓が、今、お子さんの手元で光っています。その光を、依存という影で隠してしまわないように。その先の未来を、一緒に信じてみませんか。

 

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