「卒業式には行けないけど……証書だけは、ちゃんと受け取りたい」 そう思っている子どもは、少なくありません。そしてそれは、とても自然な気持ちです。 3年間(あるいは6年間)を過ごした証を、形として手に持ちたい。 でも、大勢の前には立てない。——そのどちらも、本物の気持ちです。

子どもの本音

「体育館に入るのは無理。みんなの視線が怖い。でも証書は欲しい。 あの日のことを、なかったことにはしたくない。」

——中3・不登校経験のある生徒の言葉

大丈夫です。卒業式に出席しなくても、卒業証書を受け取る方法は必ずあります。

卒業証書を受け取る3つの方法

1

校長室での個別授与

卒業式の当日または別日程で、校長室にて校長先生から直接証書を受け取る方法。家族の立ち会いも可能なことが多く、「小さな、自分だけの卒業式」として温かな場になるケースも多いです。

 
2

別日程・放課後での授与

式の日に学校へ行けなくても、後日担任の先生に連絡して「別の日に受け取りに行く」という形も取れます。人の少ない放課後や、先生と二人だけで会える時間帯を選べば、緊張も最小限に抑えられます。

 
3

郵送での受け取り

学校への来校が難しい場合、郵送で証書を送ってもらうことも学校と相談の上で可能です。すべての学校で対応しているわけではありませんが、事前に「郵送でお願いできますか」と相談すれば、多くの学校が対応してくれます。

学校への相談の仕方

こういった相談は「わがまま」ではありません。不登校の生徒への配慮として、多くの学校がすでに対応実績を持っています。早めに相談するほど、学校側も準備しやすくなります。

担任への相談例

「卒業式への出席が難しい状態なのですが、卒業証書はぜひ本人に受け取らせたいと思っています。校長室での個別授与や、別日程での対応は可能でしょうか?郵送についても、もしご対応いただけるなら、ありがたいです。」

卒業式の2〜3週間前には相談を始めると、学校も動きやすくなります。

相談のポイント

・「式への出席は難しいが、証書は受け取りたい」と明確に伝える

・個別授与・別日程・郵送のうち、希望する方法を具体的に伝える

・担任だけでなく、教頭・校長にも相談の場を設けてもらえると話が進みやすい

・「他のご家庭でも同様の対応事例がありますか?」と聞くと、学校が動きやすい場合がある

「自分だけの卒業式」を家でやってみる

証書を受け取ったあと、家族だけで「卒業のお祝い」をするのも素晴らしい選択肢です。

家でできる「区切りの作り方」アイデア

🌸 好きなごちそうで卒業ディナー——子どもの好きな料理でテーブルを囲む

📸 証書を持って家族写真を撮る——「卒業した証」を形として残す

🌷 花束を贈る——体育館ではなく、居間で受け取る花束

📝 親から手紙を書く——「よくここまで来たね」という言葉を、文字にして渡す

🎂 ケーキでお祝いする——「卒業おめでとう」のプレートを添えて

体育館でなくても、スーツを着なくても、「卒業した」という事実は変わりません。大切なのは、その区切りをどう迎えるか、です。

「区切り」は、なぜ大切なのか

卒業式を欠席したとき、「何もせずに終わってしまった」という喪失感を持つ子は多くいます。逆に、たとえ小さくても「区切りの儀式」を持つことで、次のステップへの気持ちの切り替えがしやすくなります。

「区切り」の体験が子どもに与えるもの

「終わった」という感覚が、「次に進める」力になる

儀式は場所や形より「気持ちに区切りをつける意味」が大切

⚠️ 「式に出なかった」ことを後悔させない工夫を

「卒業式に行けなかった」という事実が、のちのちの後悔や自己否定になることがあります。それを防ぐために、「自分たちだけの卒業式を作った」という肯定的な記憶に変えることが大切です。写真や手紙など、「残るもの」を意識してみてください。

個別授与を経験した子どもの言葉(例)

「校長室で、校長先生と二人で話しながら証書をもらった。みんなの前よりずっと緊張したけど、なんか……特別な感じがした。自分のための式みたいで、泣いてしまった。」

卒業式に「出ない」ことは、「諦める」ことじゃありません。自分に合ったやり方で「区切り」をつけることもまた、立派な卒業の迎え方です。

その子が、その子らしく卒業できる。そのためにできることを、早めに学校と相談してみてください。

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