「こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど……不登校になってから、子どもとの仲が良くなった気がするんです」 そっと打ち明けてくれるお母さんが、実はとても多くいます。 それは、気のせいでも、おかしなことでもありません。

あるお母さんの気づき

「学校に行っていたころは、毎朝『早く起きなさい』から始まって、帰ってきたら『宿題は?』『テストどうだった?』って。子どもの顔じゃなくて、学校の成績ばかり見ていた気がします。不登校になって学校の話をしなくなったら、子どもが急にいろんなことを話してくれるようになって……なんか、初めてちゃんと向き合えた感じがしました。」

「学校の話」が、親子の間に壁を作っていた

学校に通っている間、多くの親子の会話は「学校」を中心に回っています。

登校中によくある親子の会話

「今日の授業どうだった?」

「テスト、何点だった?」

「友だちとうまくやれてる?」

「宿題終わった?」

——どれも「学校での子ども」に向けられた言葉。「今ここにいる子ども」への問いかけではない。

子どもの立場から見ると、これらの会話はすべて「評価されている」と感じる問いかけです。良い答えを出さなければならないプレッシャーが積み重なり、だんだん「お母さんに本音が言えない」という感覚につながっていきます。

不登校になって、その話題が消えた。すると——子どもが話し始めた。という体験は、とても自然なことです。

「生徒」ではなく「一人の人間」として見る

学校を介さない対話とは、子どもを「成績を持つ生徒」としてではなく、「感情を持つ一人の人間」として向き合うことです。

子どもの自己肯定感を育てるのは

「あなたの存在が大事」というメッセージ

「学校でうまくやれているか」ではなく「あなた自身が好き」という伝わり方

心理学では、子どもの自己肯定感(セルフエスティーム)は「条件なしに受け入れられる体験」によって育つとされています。「テストが良かったから褒める」「学校に行ったから安心する」という条件付きの関わりは、子どもに「自分は条件を満たしたときだけ価値がある」と感じさせてしまいます。

不登校という状況は、その「条件」が一度リセットされるタイミングでもあります。学校という土台なしに、お母さんと子どもがただの「人と人」として向き合える機会が生まれます。

「学校の話をしない」会話が、自己肯定感を育てる理由

1

「今日どうだった?」じゃなくて「今日、何が楽しかった?」

評価ではなく感情を聞く。子どもは「自分の気持ちが受け取ってもらえた」と感じ、「自分の感情は大切にされる価値がある」と学びます。

2

好きなことへの興味を一緒に楽しむ

ゲームでも料理でも動画でも、子どもが夢中になっていることに「それ、面白そうだね」と声をかける。否定せず関心を持つことで、「自分の好きなものを否定されない」という安心感が生まれます。

3

「ありがとう」「助かった」を伝える

お茶を入れてくれた、洗い物を手伝ってくれた——小さなことに感謝を伝える。「自分は誰かの役に立てる」という体験が、自己肯定感の土台になります。

「良かった」と思っていい。罪悪感を手放して。

⚠️ 「仲良くなったなんて言えない…」と感じているお母さんへ

「不登校なのに親子関係が良くなったなんて言ったら、不謹慎に見られるかも」という罪悪感を持つ方もいます。でも、それは全く逆です。親子の関係が深まっていることは、回復の大きなサインです。安心できる「基地」があるから、子どもはいつか外に踏み出せます。

❌ 「学校」ベースの関わり

成績・出席・進路を中心にした会話 → 子どもは「評価される自分」を演じる → 本音が言えない → 親子の距離が開く

✅ 「人」ベースの関わり

気持ち・好き・ありがとうを中心にした会話 → 子どもは「ありのままの自分」でいられる → 本音が出てくる → 自己肯定感が育つ

この時間は、決して無駄じゃない

学校に行けない期間は、一見「止まっている時間」に見えます。でも親子で過ごすこの時間の中に、子どもの心の土台をつくる、かけがえのないやりとりが積み重なっています。

回復後の子どもの言葉(例)

「あのころ、お母さんがずっと側にいてくれたの、覚えてる。 何も言わなくても、いてくれるだけで安心だった。」

「仲良くなった」という感覚は、正しい方向に進んでいるサインです。今日も、学校の話じゃなくていい。あなたの子どもに「今日、何か食べたいものある?」と聞いてみてください。それだけで十分です。

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