「学校に行かないなら、せめて勉強くらいしてよ」——一度は思ったことがありますか? 昼間からずっとスマホをいじっている子どもを見ながら、じわじわと募るイライラ。 その気持ちは、決して間違っていません。でも、そのひと言が状況をさらに悪化させてしまうこともあります。
朝10時。洗濯物を干しながらリビングをのぞくと、ゲームかYouTubeか——子どもはまたスマホを見ている。
「昨日も、おとといも、一日中それ。学校には行けないのに、スマホは見れるんだ…」ため息をつきながら、口に出しそうになる言葉を飲み込む。
「せめて勉強して」の裏にある、お母さんの本音
このひと言が出てしまうのは、ただのイライラではありません。その裏には、こんな不安が積み重なっています。
お母さんが感じている不安
・このまま何もしないと、勉強がどんどん遅れていく
・スマホに依存してしまうんじゃないか
・「休んでいる時間」が無駄になっているように見える
・将来のために、今のうちに何かしておかないといけないはず
どれも、子どものことを真剣に考えているからこそ出てくる不安です。でも、その不安が「勉強しなさい」というプレッシャーになって子どもに伝わると、回復が遠のいてしまうことがあるのです。
スマホを見ているとき、子どもの中で何が起きているか
不登校の子どもが一日中スマホを見ているのは、「怠けている」のではなく、心が必死に回復しようとしているサインです。
学校という「社会」から切り離されている不登校の子にとって
スマホは「外の世界とつながる、唯一の窓口」
スマホの中には何があるか考えてみてください。
友だちとのつながり
LINEやDMで、かつてのクラスメートや趣味のコミュニティと細くつながっている。教室には行けなくても、「自分は誰かに必要とされている」という感覚を保っている。
「楽しい」を取り戻すための時間
長期間、緊張と不安で心が消耗している子どもにとって、笑えるコンテンツや好きなゲームは心のエネルギーを充電するための時間。睡眠と同じくらい必要な回復プロセスです。
「何かへの興味」の芽が育つ場所
YouTube・TikTok・ゲーム実況を見ているうちに、「これを自分でもやってみたい」「この人みたいになりたい」という気持ちが生まれることがある。スマホが次の一歩への入口になるケースは少なくありません。
「せめて勉強して」が逆効果な理由
⚠️ エネルギータンクが空のときに「勉強」を求めると…
不登校の子どもの心は、長期間の緊張やストレスで「エネルギータンク」がほぼ空の状態です。勉強というのは、タンクに余裕があって初めてできる行動。空っぽのタンクに「走れ」と命じても、動けるはずがありません。
「勉強しなさい」というひと言は、子どもに「この家でも休めない」「お母さんにもわかってもらえない」という絶望感を与えてしまうことがあります。
また、「学校に行けない分、勉強で埋め合わせをしなければ」という思考は、子どもをさらに追い詰めます。休んでいることへの罪悪感がある子どもは、「勉強もできない自分」というダブルの自己否定に陥ってしまいます。
心が満タンになると、興味は自然に外に向く
不登校の回復には、段階があります。
❌ 回復前に求めると…
プレッシャー → 自己否定 → さらに閉じこもる → 回復が遠のく
✅ 十分に休ませると…
充電完了 → 外への興味が芽生える → 自分から動き出す → 学習意欲が戻る
実際に、不登校の子どもが「自分からYouTubeで勉強動画を見るようになった」「スマホで英単語アプリを始めた」という声はよく聞かれます。それは、十分に充電できたからこそ生まれた自発的な興味です。
「ゲームに登場する英語の意味を知りたくて、英単語を調べるようになった」 「好きなYouTuberが理科の話してて、なんか面白いなって思った」 「スマホで料理動画見てたら、自分でもやってみたくなった」
スマホは「遊びだけの道具」ではありません。
「見守る」ためにお母さんができること
今日から試せる3つのこと
① スマホの中身を否定しない 「どんなの見てるの?」と興味を持つだけで、子どもが話しかけてくるきっかけになります。批判せず、ただ聞いてみてください。
② 「今日もスマホ見てたね」ではなく「今日はどんな気分だった?」 行動ではなく感情に目を向けると、会話の質が変わります。子どもは「行動を見られている」ではなく「気持ちをわかってもらえている」と感じます。
③ タイムリミットは「今日」じゃない 今すぐ勉強を始めなくても、この先いくらでも取り戻せます。まずは心のタンクを満タンにすること。それが一番の近道です。
「勉強させなきゃ」という焦りは、お母さんが子どもの未来を真剣に考えているからこそ生まれます。その愛情は本物です。ただ、今この瞬間の子どもに一番必要なのは、「ここにいてもいい」という安心感です。
スマホを見ながらでも、子どもの心は静かに回復しています。そのプロセスを、少しだけ信じてみてください。
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