不登校支援に「自治体格差」。
3人に1人が放置される現状を打破する新指針


【最新調査】教育NPO「eboard」が明かす、自治体と民間が手を取り合うためのロードマップ

「住んでいる地域によって、受けられる支援が全然違う……」
不登校児童生徒数が35万人を超えた今、そんな「自治体格差」が深刻な課題となっています。約3人に1人が専門的な支援に繋がれていない現状を、どう変えていけるのでしょうか。

不登校の子どもたちへデジタル教材を提供するNPO法人eboard(イーボード)が、全国14の先進自治体を調査。行政と民間団体が連携し、持続可能な支援体制を築くための「具体的な道筋」を明らかにした報告書を公開しました。

■ 自治体の支援は「4つの型」に分類できる

今回の調査では、各自治体の支援状況を「公費助成の度合い」と「質的保障への関与」の2軸で整理。支援の現在地を客観的に把握するための4つのモデルが提示されました。

多くの自治体が、学校内の体制整備から始める「基本支援型」からスタートし、そこから地域特性に合わせた独自の進化を遂げている実態が浮き彫りになっています。

■ 支援を深める「2つの発展経路」と現場の壁

自治体が支援を拡充していくプロセスには、大きく分けて2つのルートが存在します。

【支援を広げる2つのルート】

  • A:制度拡充経路(行政主導)
    公的な教育支援センターの設置や、組織的な質の担保を優先して進めるルート。
  • B:民間育成経路(官民連携)
    フリースクール等の民間団体や、利用する家庭への直接的な支援を強化するルート。

ヒアリングでは、「議会への説明が難しい」という行政側の悩みや、「民間の意見が反映されにくい」という現場の葛藤など、実務上の具体的な課題が可視化されました。

■ 誰も置き去りにしないための「3つの提言」

調査結果を受け、eboardは実効性のある支援のために以下の3点を提言しています。

①フリースクール等民間団体との早期の関係構築

現在の不登校の増加、人口減少地域における学校の統廃合等を考慮すると、フリースクール等民間団体の存在なくして、不登校の子の居場所や学びの確保は実現できない。【B:民間育成経路】の土台となるフリースクール等団体との関係構築には、時間を要するため【A:制度拡充経路】を強化していく場合でも、並行してできるだけ早期に民間団体との関係づくりを進めていくことが望ましい。

 

②各自治体の地理的条件や人口動態に応じた、制度設計

フリースクールへの運営費補助やメタバースによる不登校支援等の新しい取り組みでは、同じ施策であっても予算措置やその運用体制において自治体間に違いが見られ、それが成果の違いにもつながっていた。施策そのものだけでなく、各自治体が置かれた地理的条件や人口動態、民間団体との関係性等の要素に基づき、近しい条件に置かれた好事例の細部から学び、制度設計することが求められる。

 

③学校内・外、両輪での支援

校内の居場所と学校外(民間フリースクール等)の支援を切り分けず、一体的に進めること 。官民問わず、学校外での取り組みが着目されがちだが、本来的には学校や教室がすべてのこどもが安心して過ごし、学べる環境であることが望ましい。学校外での居場所や学習機会の確保は欠かせないが、安易に「学校に来れないのであれば、学校外で支援すればいい」という考えに偏ってしまっては、学校をさらに「学校に合う子の場所」にしてしまいかねない。学校外との円滑で充実した連携のためにも、「基本支援型」に位置づけられる取り組みは欠かせないものである。

 

【調査報告書のダウンロードはこちら】

「不登校支援施策の類型化とプロセスに関する調査報告書」
発行:NPO法人eboard(イーボード)

 

支援が「たまたま住んでいる場所」で左右されない社会へ。
行政と民間が同じ地図を持ち、対話を重ねることから、
子どもたちの新しい学びの選択肢が広がっていきます。

 

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