「小1の壁」に震える夜の、処方箋。
その絶望、実は「愛」でした。
—— 入学を控えて、立ちすくんでいるあなたへ
直径5ミリしかない「算数セットのおはじき」と格闘している。
ピンセットを握る指先がプルプルと震えて、
「私は今、何の修行をさせられているんだろう」なんて、
ふと無の境地に辿り着いてしまうことはありませんか。もはやこれは育児ではなく、無償のライン作業。
この、己の精神を刻み込んだおはじきが、入学して一週間後には、名前も消えかかった状態で教室の隅に転がっている未来まで見えて、少し遠い目になったり。
一年前、私もまさにその場所にいました。
世間がささやく「小1の壁」。
それは、オートプレイで楽勝だったはずのゲームが、急に運営側の悪意を感じる「超ハードモード」にアップデートされたような、そんな戸惑いでした。
完璧な「偽装工作」ができるまで
「45分間、一度も立たずに座っていられるかしら」
そんな不安が、胸を締め付けることもあるでしょう。
けれど、私たち大人だって、興味のない会議の最中、一秒もスマホを見ず、一度も意識を飛ばさずに全集中できているかと言えば……それはまた別の話。
たぶん、多くの大人は「聞いています風」の顔筋を維持する、高度な偽装工作のプロになっただけ。
それを、人生たった6年目の方々に、悟りを開いた高僧のような自制心を求めてしまう。最新のiPhoneに、ガラケーの古い充電器を無理やり挿そうとするような、そんなオーバースペックな期待に、私たちは勝手に苦しんでいないでしょうか。
「もしも」の積み木を、そっと横に置く
「宿題を忘れたら、将来が……」「友達ができなかったら、孤独な人生が……」
誰にも頼まれていないのに、一人でバッドエンドの脚本を書き上げ、勝手に絶望してしまう「ひとり絶望ごっこ」。
かつての私の検索履歴は、「小1 忘れ物 末路」なんて不穏なワードで埋め尽くされていました。今の私なら、あの時の自分に全力でツッコミを入れたい。
「その検索をしてる指を止めて、とりあえず録画したバラエティでも見て寝ろ」と。
100点より、「機嫌がいい0点」を
入学準備で一番大事なのは、ひらがなでも計算でもなく、「親のHPを、意味のない心配事で無駄遣いしないこと」。
100点満点でヘトヘトな顔をしている親より、0点だけどケラケラ笑って機嫌がいい親の方が、子どもにとっては、よっぽど心強い「ホーム」になるはずです。
「生きて入学式に行ければ、その時点で優勝」
ハードルは、床に埋めるくらいの低さでちょうどいい。家具を組み立ててネジが何本か余っても、意外と椅子は壊れません。そして、明日はちゃんとやってきます。