現在全国に400箇所以上設置されている「フリースクール」。不登校児童・生徒の受け入れ先として、名前を聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。しかし、フリースクールと一口に言ってもその指導範囲はさまざま。その子が向いているかどうかは慎重に検討する必要があります。
そこでこの記事では、「フリースクール」の特徴やメリット・デメリットについて解説。
「どのような学習をするの?」
「フリースクールはうちの子に向いている?」
フリースクールの利用を検討中の保護者の方はもちろん、学校外の学習環境について知っておきたいという人も是非チェックしてみてください。
目次
そもそも「フリースクール」とは?
そもそもフリースクールとはどのようなものなのでしょうか。
文部科学省によると、以下のように定められています。
「フリースクール(フリースペースを含む)」とは、不登校の子供を受け入れることを主な目的とする団体・施設を指す。
※参考
小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査|文部科学省
学習のサポートだけでなく、加えて生活面のサポートや精神面の安定・回復を目指します。家庭以外の「子どもたちの居場所」という側面も強いです。
□フリースクール入学資格
入学資格、制限等はありません。
□運営方針・カリキュラム
個人やNPO法人によって運営されているので、スクールの方針も学校によって、
- ・学校への復帰を促す
- ・学習面に力を入れて指導を行う
- ・メンタルケアを中心に行う
などさまざま。
カリキュラムに差があるのも特徴の1つです。
- ・そもそもカリキュラムが組まれていない
- ・時間割がなく、その日やることを本人が決める
- ・個人に合わせた学習を進める
- ・学習以外の体験をメインにしている(自然学習、芸術体験など)
フリースクールにどのような指導を求めているのか、まずはご家庭で方向性を決めてから候補を絞っていくとよいでしょう。
□費用
文部科学省の調査によると、毎月の授業料は平均3.3万円。1年目にのみかかる入学金は平均5.3万円。ただし、入学金については「入学金無料」としている場合もあります。
※参考
小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査 (mext.go.jp)
フリースクール等の支援の在り方に関する調査研究:文部科学省 (mext.go.jp)
不登校の子が「フリースクール」を選ぶメリット
①出席扱いにできる場合がある
義務教育である小・中学生は、フリースクールに通っていても各学校に籍がある状態。フリースクールで学んでいても学校は「欠席扱い」となります。
しかし、文部科学省が出している「出席扱いの要件」を満たし、在籍校の校長の許可を得れば「出席扱い」としてカウントすることが可能です。
※参考(出席扱いの要件)
不登校児童生徒への支援の在り方について(通知):文部科学省 (mext.go.jp)
②カウンセリングが受けられる
専門家・医療機関と連携しているフリースクールもあります。病気や精神疾患などがある場合でも、手厚いケアを受けながら学習を進めることが可能になります。
卒業後どのような進路があるのかを一緒に考えて「社会的自立」に向けたサポートをしてくれる場合も。不安な気持ちや、保護者の方には言いにくい悩みを打ち明ける場所としても機能してくれます。
不登校の子が「フリースクール」を選ぶデメリット
①自宅から通える範囲にない場合がある
フリースクールまで定期的に通学するのはお子さん自身。交通の便・通学時間も負担のない範囲が望ましいでしょう。
・お子さん本人が通いたい!学びたい!と思えるフリースクールであること
・通学可能な範囲にあること
これらを満たせるフリースクールがない可能性も十分にありえます。
②学習のレベルが物足りない場合がある
・高校進学を目指したい
・勉強が得意、好きで学力が高い
こういったお子さんには、フリースクールの学習方針が合わない場合があります。学力重視のスクールを探すか、別の学習サービスの検討がオススメです。
通学のリズムを作りたい人は「フリースクール」
不登校の児童・生徒向けの学習サービスのなかでも、以下のようなお子さんには「フリースクール」がオススメです。
・学習以外の体験活動にも興味がある人
・家庭以外の「居場所」があると安心できる人
・ 定期的に専門家によるカウンセリングが受けたい人
通学することで「学校」のなかで学習するリズムを作りたいという人は、「フリースクール」の利用を検討してみてください!